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Daemonプロセスの語源とは

バックグラウンドプロセスのことを、UNIX/Linuxおいては、Daemonプロセスと呼ぶ。なぜこのように呼ばれるようになったのかという疑問に、Multicsの開発者フェルナンド・J・コルバト氏が回答している。

gigazine.netバックグラウンドプロセスのことを指すようになったきっかけは、「マクスウェルの悪魔」になぞらえて、コルバト氏が「Daemon」という愛称で呼び始めたことであるとのこと。

 

語源となった「マクスウェルの悪魔」は、1867年ごろに物理学者ジェームズ・クラーク・マクスウェル氏が行った思考実験だ。実験では、接合した状態のAとBの容器にあいた穴に扉をつけ、その管理を悪魔が行うものと仮定する。また、動きの速い分子がBからAに向かって近づいてきた場合、もしくは動きの遅い分子がAからBに向かって近づいてきた場合に、扉は開かれるものとする。このようにすると、Aには動きの速い分子が集まって温度が上昇し、Bは温度が低下する。この思考実験は、熱力学第二法則と矛盾した結果を生み出すことから、当時大きな議論を巻き起こし、解決されるまでに1世紀以上の時間がかかったことでも知られている。